「美容外科医って医師の中でも落ちこぼれがなるって聞くけど本当なのかな?」
「なんで落ちこぼれた人が美容外科医になるのかな?」
「美容外科医は落ちこぼれだと言われて辛い・・・」
悩めるマドモアゼルの諸君、ご機嫌麗しゅう。
日本に残存する最後の英国紳士との呼び声も高い、医師のウサギだ。Nice to meet you!!
ということで、「美容外科医と落ちこぼれの関係性」について、気になってしょうがないという諸君がこの記事を読んでくれているのではないだろうか?
そこで、医療業界並びに美容医療業界にも詳しい医師である私が、その疑問を月に代わって解決して差し上げよう!
医師兼会社経営
地方国立医学部⇒初期研修⇒後期研修⇒外資系戦略コンサルティングファーム勤務⇒起業
では、早速「美容外科医は落ちこぼれなのか」ということについて、ドンドコ解説していく。
結論)美容外科医は「落ちこぼれ」ではない
いきなり、この記事の結論からお伝えしてしまおう。
美容外科医は「落ちこぼれ」・・・
・・・
・・・
・・・
・・・
・・・
「ではないッ!!!」
え
となっているだろう。
おそらく、この記事を読んでくれている諸君は「美容外科医って医師の中で落ちこぼれなんでしょ」と思いながら、読んでいたに違いないからだ(違ったら大変失礼、、、月に代わって謝罪させていただく
少し説明するにあたり、まず美容外科医の数を考えてみると、JSAPS会員数(日本美容外科学会の一つ)1300名程度、JSAS会員数(日本美容外科学会のもう一つ)1300名程度であり、被りもあることを考慮すると、日本に美容外科医は2000名程度はいるのではないだろうか。
この2000名全員を一括りに扱って、「落ちこぼれ」であると言及するのは大変失礼な話ではないだろうか。大変な熱意を持って美容外科に取り組む優秀な医師を挙げれば、枚挙にいとまがない。
一方で、「落ちこぼれ」と言われてしまってもしょうがない美容外科医がいることも確かだ。当たり前の話で、2,000人もいれば全員が優秀ということはなかなかないだろう。
ここまでが簡単な結論に至る理由である。
続いて、もう少し詳細まで踏み込んで「落ちこぼれではない理由」や「落ちこぼれと言われる理由」について解説していこう。
落ちこぼれではない理由
落ちこぼれではない理由を3つ挙げさせていただく。
まず①つ目の理由に関してだが、以下の「反例」の意味を見て欲しい。
ある主張・学説に対しそれが成り立たないことが確かめられる、そういう例。それを示すだけで反証となる実例。
Oxford Languages
つまり、優秀な先生が存在している時点で「美容外科医は落ちこぼれである」(主張)という主張は間違いとなる。正しくは、「美容外科医にも落ちこぼれの人がいる」である。
個別名を言及することは避けさせていただくが、いくらでも美容外科の優秀な先生はいらっしゃる。
②点目の理由に関してだが、「落ちこぼれ」の定義を見てみると
体制や競争に適応できず、落ちて取り残された人。脱落者。
Wiktionary
という定義がある。
読者の諸君は、医学部、研修医生活に適応できず、落ちて取り残された人なので「落ちこぼれ」であると認識しているかもしれない。
確かに、そういう人がいることは確かかと思う。しかし、現在は美容外科という「体制」「競争」の中に彼らはいるわけだ。
その中で、二重術、鼻整形等の施術を通じて、少なくとも「人の人生を良くする」ということに貢献し、その結果として社会にインパクトを生み出している美容外科医が何人もいる。
一括りに「落ちこぼれ」と言うのは、やはり、よろしくない。
③点目の理由に関しては、②点目と被る部分ではあるが、ややニュアンスが異なる。
優秀・落ちこぼれというのは、戦うフィールドが変われば容易に変化する。
分かりやすくいくつか例えを挙げてみるが、
・野球の大谷選手は野球において「超・優秀」であることは否定のしようがない。しかし、サッカーをすれば「落ちこぼれ」かもしれない。
・(実例)iPS細胞で有名な山中伸弥先生は、元々は整形外科の臨床医であった。その頃は「じゃまなか」と周りに言われる程手が不器用であり、上手くいっていなかった。しかし、研究医へと転身し、iPS細胞に関してノーベル賞を受賞した。彼を「落ちこぼれ」と言うべきだろうか?
いかがだろうか?
誰にでも、長い人生において落ちこぼれていない時期などないだろう。そこから成長して、知識・技術を身に付けていくわけだ。
以上3点の理由から、今回の「美容外科医は落ちこぼれなのか?」という問いに対して、「落ちこぼれではない」という結論を導き出した。
ただ一方で、先述したように、美容外科医は少なくとも国内に2,000人いるわけで、優秀な先生もいれば、残念ながらそうでない先生がいることも事実ではあるかと思う。
そこで、次に落ちこぼれと言われる理由について、医学生→研修医→医師と経験してきた私が、医師業界の内情も踏まえて、論理的に解説していこう。
落ちこぼれと言われる理由
こちらの項目については、注意点を先にお伝えしておく。
「美容外科医」と一括りにまとめて、「美容外科医は全員〇〇である」「美容外科医は全員〇〇ではない」と言うべきではないし、私も言うつもりもない。
実際、国内に少なくとも2000名の美容外科医がいる中で、優秀な先生もいれば、中にはある種落ちこぼれという定義に当てはまる先生もいるかもしれない。
ただ一般論的に、「なぜ美容外科医が落ちこぼれ」と言われるのか、客観的に考察を述べる。
医師業界の構造的な問題が存在する
箇条書きで、この項は整理する。
・日本では、誰でも手を挙げれば自分の行きたい診療科に行くことが可能である
・美容外科も手を挙げれば誰でもなることが可能である(就活のような厳しい競争・選抜があるわけではない)
・美容外科以外の診療科は基本的に平均年収が1000万円強程度であり、美容外科は平均年収が2000万強程度である
・美容外科以外の診療科は、時間外労働が多い傾向があるが、美容外科は少ない傾向がある。当直も、呼び出しもない。その結果として、保険診療の勤務形態に耐えられなかった人が美容を志望するというケースが実在する。
・医学部において「美容外科」については一切学ばない。研修をすることもない。つまり、医学部で学んだことが「直接的に」美容外科に活きるわけではない。この結果として、美容外科志望の一部に「俺美容外科行くし、勉強も研修も適当にしまーす」という人が実在する。
・現在(2023年4月)において、医師業界において美容外科という診療科に対して、ある種「下に見る」ような風潮が存在している。具体的には、「美容外科医は医者じゃない」と言った発言を実際に聞いたこともある。(ソースは私や私の知人)
・上記の結果として、学生の頃から医学(保険診療の領域)の勉強が得意であったり、医師業界でのコミュニケーションが得意で仕事のパフォーマンスが高い人達は、美容外科という選択肢を取ることが非常に少ない。
・ゆえに、保険診療で働いている医師の多くが、「医学の勉強ができない」「医師としての仕事(保険診療)が得意でない」医師達が美容外科に多いと考えている。このことを「美容外科医は落ちこぼれ」と言っているのだと推定される。
「クズ」と評される人が一部いる
構造的な問題以外にもいくつか言及させていただこう。
どうやら「美容外科医 クズ」というキーワードをGoogleや、SNSで調べる人がいるらしい、、、
何を持って「クズ」というのかは、個々人の感性によるかと思うので、何とも言えない部分ではある。
一方で、このようなキーワードが検索されていたりするわけで、一定の数の人は「美容外科医はクズ」と考えている可能性がある。
なぜこのように言われているのか、考察してみると、例えば以下のような事例によると想定する。
・美容外科医は、収入も高く、見た目も整った先生が多い。飲み会が派手な人もおり、いわゆる女遊びの激しい先生もいるのだろう。その結果として、女性から「美容外科医はクズ」と呼ばれる
・美容外科医は、保険診療の医師と異なり、SNSでの発信により集客活動を行っていたり、単純にプライベートを発信している先生が多い。その中で、「キャバクラでシャンパンを飲んでいる」「タワマンでパーティーをしている」「高級料理ばかりあげている」ということを発信している人も一定目に入ってくる。一部の人からすれば、「品がない」と取られてしまうこともあるだろう。この「品がない」≒「クズ」となっている可能性もある
「チャラい」人が一部いる
こちらは、先ほどの「クズ」と被ってしまう部分があり恐縮である。
この点は医学生→研修医→医師と経験してきた私の立場から言及してみると、美容外科に行かれる先生は「派手」、別の言い方をすれば「HANAYAKA」な方が多いのは事実である。(つまり、私は華やかでない)
イケメン、美人が多いのは周知の事実ではなかろうか。
イケメンというのは、なぜだかチャラくなってしまうことが多いようである。その結果として、「美容外科医はチャラい」から発展して、「美容外科医は落ちこぼれ」となっている可能性がある。
ただここで注意が必要なのは、「鶏が先か卵が先か」ということである。
美容外科医に行く人がチャラいのか、それとも美容外科医に行くとチャラくなるのか、、、この真相は闇の中である、、、(私としては、両方あると考えている
美容外科医は医者じゃない?
「美容に行くなら医者になった意味がないね」
「美容なんて社会的意義がない仕事だよね」
「美容に行くなら指導する意味がないね」
こんな言葉を聞いたことがある、もしくは実際に言われたことはないだろうか?
もし言われて落ち込んでしまい、枕を濡らした夜があるならば、この私が全力で味方となろう。
医療とは、狭義には診療(診断と治療:diagnosis and treatment)すなわち、医の行為(medical care)であり、広義には健康に関するお世話(health care)である。
全日本病院協会
医療を提供する人は医師であり、その医療の定義を見てみると、上記のようになっている。
美容医療とは、患者さんの状況を見て診断をし、施術をすることで治療をしている。さらに言えば、「美を向上させる」ことで健康にも良い影響を与える。
どこから、どう見ても立派な医療である。
また、人は価値を感じないものには一銭も出さない。美容医療に一体いくら使われているかご存じだろうか?
こちらの図を見て欲しい。
この数値を見てどう思うか?
基本的に資本主義社会においては、市場規模の高低は社会的価値・インパクトと相関している。つまり、そういう意味では、美容医療は社会的価値も高いと言って良いだろう。
また、1人1人の患者さんを見た際に、「人生が変わって、生きるのが楽しくなった」と大きく人生が好転した人が何人もいるはずである。というか、いる。
少し広義に捉え過ぎかもしれないが、健康寿命を延ばしていると言っても良いかと私は考えている。
以下の記事は、フィクションではあるが、美容整形を受けて人生が変わった女性の物語を描いた書籍のコラムである。「美容医療の価値」を知りたい人は是非一読してみていただきたい。
美容外科医のあるある
本題とは少しズレるが、「美容外科医とはどういう人種なのか?」という点を考えてみよう。
ある種占いのような遊び感覚で読んで欲しい。
ネット上で調べていると、「美容外科医のあるある」なるものがいくつか情報が落ちており、それらを整理してみた。
かなり浅い考察となってしまったが、お許しいただきたい。
もし情報を持っている方は是非美容ポリクリまで提供いただけると幸いである。
まとめ
いかがだっただろうか?
今回は「美容外科医は落ちこぼれなのか?」という問いに対する、一つの解を提示し、その根拠を解説させていただいた。
残念ながら2023年4月現在においても、医療業界の中で美容医療に対するマイナスのイメージが存在していることは、紛れもない事実であると認識している。
しかし、私は、「美容医療は社会的意義のある立派な医療である」と心から思っている。
この状況が少しでも変化して欲しいと思っているし、その一助となるべく貢献していきたい。
医師兼会社経営
地方国立医学部⇒初期研修⇒後期研修⇒外資系戦略コンサルティングファーム勤務⇒起業